いくつもの転職で気づいた、建設業界の面白さと人の繋がりの大切さ

建設業界よりやりがいのある仕事はなかった

株式会社ライズ

岩井 勇二郎

いくつもの転職で気づいた、建設業界の面白さと人の繋がりの大切さ

建設業に特化した総合人材サービス会社として、東京・千葉・埼玉を中心に展開し、建設業界の将来を担う技術者の育成や数多くの建設プロジェクトを強力にサポートしている株式会社ライズ。今回は代表取締役 岩井勇二郎さんに事業を始めたきっかけから建設業界の変化や女性の雇用、人材育成でのこだわりについて、お話を伺いました。

田舎を出るために進んだ土木科。就職したゼネコンでは楽しさを見出すことができなかった。

 
——株式会社ライズの事業内容について教えてください。
 
建設業界に特化した人材のアウトソーシング、それに付随したコンサルティングが中心です。人材が不足している企業に向けて、我々が派遣や業務委託などで人的支援を行っています。特に、土木建築を一式で請けているようなゼネコンに対しての支援が多いね。
 
 


株式会社ライズのオフィスは松戸市内が見渡せる絶好のロケーション。晴れた日には富士山を望むことができる。
 
 

——学生時代から建設業界に興味をお持ちだったのでしょうか。
 
高校が土木科だったので、その流れでゼネコンに就職しただけで実はそこまで建設業界に興味があったわけじゃないんだよね。群馬県出身なんだけど、学生時代にはまだそれほど学校の選択肢がなかった。どうしても田舎から脱出したかったから、離れたところにある高校の中で自分の条件に当てはまったのが土木科だったんだよね。
 
でも、今思えば建設業界に対して何も先入観がなかったからこそ興味を持つことができたし、今もこうして好きでいられるのかもしれない。
 
 

——ゼネコン入社後は、どのようなお仕事をされていたのですか。
 
いわゆる現場監督だね。これからバブルが始まるっていう時代で、最初に任されたのが千葉の高級住宅街を開発する仕事だった。宅地造成といって、山谷だったところの木を切り崩して、谷を埋めて平らにして、その上に住宅を建てていくという工事でね。当時は日本で2番目に大きい100万坪という大規模開発だったんだよ。
 
 

——バブル期で建設業界も伸びていた時期だと思うのですが、転職をされたのはなぜでしょうか。
 
正直、新人だったからあんまりバブルの恩恵は感じていなかった。だからなのかあまり楽しさを見いだせずにいたから現場監督という仕事以外をやってみたくなったんだよね。それで、ゼネコンを辞めて好きなことをしていた。イラストの専門学校に通ったり、建築の製図の学校に通ったりね。専門学校は夜の時間帯が多かったから、昼間は興味を持った仕事をいくつも試していたね。
 
 

——具体的にどのようなお仕事をされていたのですか。
 
イラストレーターの仕事をやったり、パースという建築の完成予想図を作成したり、不動産営業もやったよ。当時はバブルの時代だったので、入社して1週間しないうちに家が売れてね。でも、建設業界に関するのはそれくらいかな。あとは卸の営業として百貨店をまわったり、ノベルティ制作の営業をやったりね。その時にやりたいことを探すというよりは、一生自分でする仕事は何だろうと模索する時期だったように思うね。
 
 

「20代の前半はさまざまな経験をしていた」と笑って話す岩井社長だが、その時期があったからこそ、こうして今、やりがいのある仕事を見つけられたのだろう。
 
 

業界を離れて気づいた、建設の仕事の面白さとやりがい

 
——一度は離れたものの、建設業界にお戻りになったのはどういう理由からですか。
 
一言で表すと、他の仕事が物足りなかったってことだろうな。建設の仕事って複雑なんだよ。それに同じものを作ることが一つとしてないよね。同じような施工はあるけど、全く同じビルなんて絶対ない。建てる場所や季節によって建て方も変わる。例えば、地盤がゆるかったら基礎をしっかりとしなきゃいけないし、土地ごとの規制で階数が制限されている場合もある。自分で考えて進めなきゃならないことが他の仕事と比べると多いんだよね。
 
それから、仕事の幅も広い。職人さんを動かすためのマネジメントはもちろん、スケジュール管理、近隣住民への説明や対応、強度などの検査、発注者との打合せ、予算管理など複数の仕事が平行して走るわけだ。思うんだけど、建物を作ることは、会社経営と同じように思う。完成という期限はあるけどね。工事の規模によっては、何十億、何百億と動くプロジェクトもあるわけで、それを任せてもらうなんて上場企業でもなかなかないよ。そういうところが面白いんだろうな。
 
 

——株式会社ライズを立ち上げられたきっかけを教えてください。
 
人材サービス会社で働いていたときに、建設業界向けの部門があったんだけど、そこを任されたのがきっかけかな。設計の経験もあったし、元々ゼネコン出身というのもあって、他の人よりも業界のことを知っていたからだと思う。それから、周りの勧めもあって25歳のときに個人事業主として独立したんだ。法人化をしたのが29歳のとき。建設業界向けの人材サービス会社ってたくさんあるけど、設計もゼネコンも人材サービスもすべて経験している社長というのは、いないと思うよ。
 
 

建設業界は人材面、雇用面で時代に合わせた変化が起きている

 
——株式会社ライズへの入社希望者はどのような方でしょうか。
 
平均年齢だと20代後半くらいになるけど、年齢幅でいうと10代から30代中頃ぐらいまで広いな。最近は、そのうち女性がだいたい3割ぐらいの比率だね。
 
応募理由としては、大きく分けて2つある。まずは「ものづくりをしたい」っていう人。やっぱり、形に残るものが創れるっていうのは建設業の醍醐味だよね。「スキルを身に着けたい」とか「手に職をつけたい」、「国家資格を取りたい」というスキルアップの目的で希望する人も増えているね。
 
 

——入社希望者に対して、時代による変化は感じられますか。
 
自分たちの時代と比べると、働くことに対する価値観がまるっきり違うように感じる。昔は会社を選ぶ基準って“会社の規模”だったり“会社の知名度”や“給料”というところが、ほとんど占めていたと思うんだよね。あとは、地方ではなくて“東京で働くことへの憧れ”もあったように思う。それが今は、地元愛や地元志向が強いというか、地元から離れたいという人が少なくなってきているように感じるね。「社会貢献したい」っていう言葉もよく出てくるね。自分たちの時代にはまったく出てこなかったキーワードだから、最初に聞いたときは驚いたな。
 
あとは、建設業界で働きたい女性が増えてきたことも変化のひとつと言えるかな。
 
 

——女性が増えてきている理由はなぜだとお考えですか。
 
昔も今もそんなに仕事の質が変わっているというわけではないと思うんだ。変わってるって言ったらITの進歩だろうね。例えば、作成する書類なんかもそんなに変わらないんだけど、PCでの作業が普及してどこでも作業ができるようになったり、業務が効率化したり。最も大きかったのは、建設業界に関する情報が増えたことかな。インターネットがない時代って、すごく閉ざされた業界だったと思うんだけど、今はブログなどのSNSを使って情報発信ができている。建設の仕事の多様性や仕事内容、未経験者や女性の活躍などの情報も出てきていることもあって、女性に限らず参入障壁が低くなっているのかもしれないね。
 
 


「インターネットの普及により、建設業界がオープンになった」と話す岩井社長。情報発信を加速させることにより、建設業界を志す人はますます増えそうだ。
 
 

——女性を受け入れる企業側の態勢にも変化は感じられますか。
 
時代背景としては人材不足が大きいよね。今まで建設に関する学部や理系卒しか採用しなかったような企業も、今では未経験者OKになってきている。そして、人材育成に力を入れるようになったり、せっかく入社した人材がすぐに辞めないように働く環境も整備したりしはじめているんだ。
 
同じように女性が働きやすいような環境も整備されてきているんだと思うよ。例えば、現場のトイレも男女で分けられたり、女性用の更衣室ができたり、分煙もきっちりしているね。一般の企業では普通のことかもしれないけど、今までの工事現場ってそうはなっていなかったから。大手ゼネコンでは、有名なデザイナーのデザインや明るい色が採用されている女性用の作業着もあるね。国の施策として、建設業で女性雇用推進をしていることもあって、企業が女性を受け入れる態勢へと変化していることはすごく感じるよ。これからは建設業界でも女性が活躍していくと思う。
 
 

未経験から挑戦する人を応援し、成長させる建設業界特化型の人材派遣会社として

 
——株式会社ライズでも未経験の人材を募集されているのでしょうか。
 
基本的に未経験者のみを募集しています。すぐにでも人材が欲しいという企業が多くて、未経験でのオファーも多いんだよね。うちの場合、入社後に1か月間、毎日8時間の研修をしているから、未経験でもきちんと送り出せる自信があるんだよ。
 
 

——研修ではどのようなことが学べますか。
 
座学は少なく、ほとんどが実習です。現場でどこまで求められるかにもよるけど、うちの研修で最低限の基礎は学んでいる状態にしたい。具体的なツールとしては、Excelと設計の図面を作成するCADが多いね。Excelは建設業界独特の使い方があるから、そういう実務スキルを身に着けてもらうための研修をしっかりと行っています。
 
 

——研修にこだわられるのはなぜでしょうか。
 
正直、人手不足だから研修なしで現場へ配属させることはできるんだけど、それは自分自身がゼネコンを経験しているからこそのポリシーだね。ライズから出すスタッフは、少しでも基礎のある状態にしておきたいと思っている。
 
それから、研修最大の目的は、同期を作ること。例えば、昨日までコンビニで働いていたり、飲食業で働いていたりする人たちがまったく知らない業界、会社で働くわけだよ。それって不安でしかないよね。だから、まずは研修で理系の頭に変え、最低限の基礎を身に着けてもらう。そして、1か月の研修の中で一緒に学ぶ同期とも仲良くなってもらう。研修の中では、グループワークが多いので、みんなで話し合ったり、分からないことがあったら教えあったりするから、自然と絆は強くなる。研修が終了する頃には、みんなでLINEグループを作ったり、会社とは関係ないところで同期会をやっていたりする。そうやって現場に配属後も支え合える大切な仲間を作ってもらうことが最大の目的ともいえる。
 
 

「中途採用で当たり前になっている“一人入社”をなくしたかった」と、岩井社長。自らの転職経験が働きやすい環境づくりの根本にあるように感じた。
 
 

——株式会社ライズの特有のフォローアップ体制などがあれば教えてください。
 
同期だけではなくてね、ライズ社内に繋がる人もいっぱい作っておきたい。だから、面接の時間も1時間半から2時間ほどじっくりかけて実施している。そうすると、学生時代の話や家族の話など深い話もできて打ち解けやすくなるよね。そうやって面接官も悩んだ時の相談相手の一人になるんだよ。
 
それから、研修の前に営業担当が配属希望についてヒヤリングをするんだけど、そのときにも徹底的に話をする。その人に合うのが設計なのか、現場なのか、建築なのか、土木なのかを決めるために、1時間から2時間かけて希望を聞いていくんだ。
 
さらに新人は5名ほどのチームに入るので、チームリーダーが新人をサポートする。こうして社内にも多くの理解者ができる。自分のことを一人でも多く分かってくれていて、応援してくれるって強いよね。
 
派遣といっても、こうして人と人との結びつきが強いのはうちの特長かな。建設業界って、現場主体で働くし、下請け会社なども多いし、雇用形態もさまざまで派遣性が強い業界だから会社への帰属意識を持ちにくいんだよね。だから、なるべく研修も含めて社内での人と人との結びつきを大切にしたいんだ。
 
 

人材育成と情報発信、そして地域との繋がりを強め、建設業界を活性化させたい

 
——株式会社ライズとして新たに展開されていきたいことはありますか。
 
圧倒的な人手不足なので、今後も新人育成に力を入れていきたいね。引き続き、研修もしっかり行い、来年からはさらに実施回数も増やすつもりで考えている。配属された後の成長にも寄与できるようにフォローアップ研修や資格取得のための勉強会なども定期的に開いていくつもりだよ。配属先の企業にとっても、入社した人材が育たないと意味がないからね。まだ課題はあるけど、未経験の人材をいかに成長させるかがポイントだね。
 
それから新たにWebでの情報発信と地域活性にも力を入れたいと思っている。建設業界で働く人材を増やすためにもWebを使った情報発信は重要だよね。それから、この松戸という街で30年近くやっていて、これからもこの松戸、柏地域に根差していきたいから地域活性にも力を入れていきたい。株式会社ライズが運営となって、新たに松戸と柏を盛り上げる「まつかし」という情報サイトを作ったんだけど、この媒体をきっかけに街の人との繋がりや交流ができていったらいいね。
 
 

岩井 勇二郎

株式会社ライズ 代表取締役
 
▶︎  株式会社ライズ
HP:https://www.rise-jms.jp
 
千葉県松戸市にある株式会社ライズは、創業から20年以上培ってきた豊富な実績とノウハウをベースに、発注者支援業務、建設アウトソーシング事業、教育事業など建設に特化したサービスを展開しています。すべてのステークホルダーに信頼していただける高品質でトータルなサービスを目指し、日々の事業を行っています。
 
 
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