「快適な暮らし」を求めて、明治時代から続く住宅設備専門商社が目指す、新しい未来

興味がなかった建設業界で、奥深さにはまる

橋本総業株式会社

遠藤 仁樹

「快適な暮らし」を求めて、明治時代から続く住宅設備専門商社が目指す、新しい未来

創業127年目となる老舗の住宅設備専門商社である橋本総業株式会社。今回は人材の採用を担当する遠藤仁樹さんに、欲しいと思う意外な人物像やご自身のキャリア、建設業界の魅力について伺いました。

創業127年!明治から続く住宅設備の専門商社

 
——橋本総業株式会社の事業内容について、教えてください。
 
明治時代、コレラ菌などが流行していて、水を供給する仕組みを変えていく水道条例が発令されました。それまでは井戸から汲み上げて、木樋といわれるパイプで流していたのですが、木製なので腐ってしまうわけですね。それから鉄製品に変えようという動きがあり、鉄のパイプを輸入したり、国内の製鉄所で作ったりするようになりました。このような水道材料を扱ったのが当社のはじまりです。業界の中では、おそらく日本で三番目くらいの歴史があるといわれています。
 
水というのは、家の中でもお風呂やキッチン、給湯器、エアコンなどさまざまなところに関係しています。今は水回りから広がって、住宅設備全般を扱うようになりました。窓枠などの建材や床材など、お客様からご要望をいただいた住宅設備をワンストップでご提供しています。
 
立ち位置としては商社に当たり、ゼネコン、サブコン、地域の販売店が主なお客様です。お取引きいただいているゼネコン、サブコンは約100社、販売店だと全国で約1500事業所以上があります。そこから先がいわゆる工事業者さん、工務店さんや職人さんと言われる一人親方も含めての技術屋さんとなり、非常に裾野が広い業界ですね。
 
 


水と共に歩んだ120余年の歴史、時代に合わせた扱う商材の広がりが感じられた。
 
 


中央区小伝馬町の本社ビル。このビルの完成時は、このエリアで一番高い建物だったという。
 
 

——これからの時代に向けて、橋本総業さんはどのようなことを進められているのでしょうか。
 
世の中の状況としては、新築は減少傾向にあり、リフォームやリノベーション、エコ住宅やシェアハウスなどの新しいスタイルの住宅や建物が多くなってきているんですね。そのため、そのような時代に合った商材を提供できるかどうかがポイントになってくると思います。
 
今、当社では7つの未来を提唱しています。1つ目が環境とエネルギー、2つ目が中古の住宅、3つ目が健康と快適、4つ目が安全と安心、5つ目が地域の活性化と6つ目がグローバル化、7つ目がIT関係です。これからの住宅に大きく影響するであろうこの7つの未来を軸として、事業展開を進めていく方針にしています。例えば、環境では地球温暖化や建物の老朽化対策などがあります。以前は、建物が古くなったら潰してまた新しい建物を作り直すスクラップアンドビルドの考え方が日本の建築としては主流だったのですが、これをやっていくと、資源もお金も無駄にかかってしまう。そこで、現在は良い建物を建てて、長く使っていこうというストックアンドフローの考え方に転換してきています。
 
また、東日本大震災を皮切りにして、環境問題と合わせて再生エネルギー関連の商品販売にも力を入れています。今後は断熱や省エネの性能を上げたり、太陽光発電などでエネルギーを創ることで、エネルギー量の収支をプラスマイナス「ゼロ」にした住宅、ゼロエネルギーハウスが主流になりますので、時代に沿った商品ラインアップを充実させています。
 
 

やりたいことも仕事もない、そんな時に偶然入った建設業界で“知る喜び”に出会う

 
——遠藤さんのお仕事内容を教えてください。
 
人事部として、主に人材採用を担当しています。
 
 

——遠藤さんは、これまでどのようなキャリアを築いてこられたのでしょうか。
 
お恥ずかしい話なのですが、建設業界に入るとはまったく思ってもみませんでした。大学を卒業後、専門学校に通ったものの、本気でやっているわけでもなく、興味をもっているわけでもなく、非常に無駄な時間を過ごしていました。それからアパレル業界に勤めたり、国家資格を目指したりしたのですが、どちらもあまり長くは続きませんでした。
 
そこで、就職活動に取り組みはじめたのですが、当時は正社員としての働き口が少ない時代で、とにかく小さな会社でも正社員として入りたいと思い、いくつも応募していました。それでも2か月で60社ほど不採用通知が届き、焦りもありましたね。そんな中で、たまたま行ったハローワークでみつけた求人が橋本総業でした。正直言うと、多数ある中の1社だったので、人事担当者から連絡があるまで、応募したことすら覚えていなかったですね。
 
 

——知識がないままご入社されたことで、お困りになったことはありませんでしたか。
 
これほどたくさんの会社が関わって、一つの建物を作り上げていることを知らなかったので、最初は建設業界を捉えにくかったですね。それからは、建設業界の基礎について学べる外部のセミナーで学び、興味をもちました。特に、自分の生活に直結する点がとても面白いと思いました。家ができていく工程を学ぶ中で、人の生活とか行動から逆算した構造になっていたり、さらに深く知るためには幅広い知識が必要だったりと、知れば知るほど面白くてはまってしまいました。新しいことを知ることが喜びになっていますね。
 
 

——具体的に今も学ばれていることがおありですか。
 
最初に福祉住環境コーディネーターの検定資格を取って、そのあとガス工事や電気工事の資格もとりました。今はインテリアコーディネーターを勉強しています。私の場合、それらの資格が業務に直結するわけではないのですが、人事部として学生さんに話すネタにもなっています。
 
 


「知る喜びをみつけてから、建築にはまってしまいました」と話す遠藤さん。
 
 

興味や知識がなくても、楽しみをみつけられる人であればいい

 
——人事部として多くの方と接していらっしゃる中で、今、橋本総業株式会社が求められているのはどのような人材ですか。
 
お客様や一緒に働く同僚に対して、寄り添って歩調を合わせられる人っていうのが一番だと思っています。知識や資格なんて、入社後になんとでもなるんですよ。ただ、基礎となる部分のビジネスパーソンとして、人としてどうあるべきかというものがないと、ダメなんですよ。お客様からも仲間からも信頼が得られないんです。
 
そしてもちろん、働き始めたら知識をつけていかないといけません。ある程度理解していることで、何かの解を多少なりとも相手に提供することができます。だから、周りの人と同じ歩調で進みながら、常に自分で学んで考えていける人材が理想ですね。
 
また、営業職となると、お客様から厳しい要望をいただいたり、価格や納期の調整が入ったりと大変なことも多いです。自分自身の肉体、精神が常に安定できるようにコントロールできることがとても大事になると思います。
 
 

——今、新卒で入社されている方は建設業界に興味をお持ちになって、入社をご希望されていたのですか。
 
実はそうでもないんです。当社は8割強が文系出身なんで。商社に何らかの憧れがあるとか、人付き合いやお客様とのやり取りの中から成長したいという社員が多いですね。ただ、入社してから建設業界への興味が深くなるという社員が多いのが面白いところですね。
 
 

——入社されてから、配属はどのように決められるのですか。
 
ベースは営業職ですね。営業職の中には、お客様に提案から受注までを担当する営業担当と、営業をサポートする営業事務担当があります。基本的には、その営業と営業事務がペアになって仕事を進めていきます。少し古い体質なのですが、男性が営業、女性が営業事務というのが多いですね。ただ、昨年入社して「どうしても営業がやりたい」と言って、営業を頑張っている女性もいます。
 
 

——会社全体の男女比率や平均年齢を教えてください。
 
6:4で男性の方が多いですね。基本は営業がペア体制になるので、ほぼ同数になるのですが、配送センターなどの男性が多い職場があるため、やや男性の比率が高い状態です。
 
平均年齢は、40歳くらいですね。ただ、年齢幅は広いと思います。一番下は新卒なので18歳から、一番上は74歳ですね。その74歳の方は支配人という位置づけなのですが、もともと営業として専務を務めており、今もまだ現役の営業として動いていただいています。若い方から学ぶことも多いですが、自分が成長する上で、経験のある方が身近にいることは良い環境の一つだと思いますね。
 
 

「建設業界は、最初は興味がなくても、必ず興味を持って勉強したくなる不思議な魅力があります」と話す遠藤さん。
 
 

これから取り組むのは、建設業界の働き方改革とさらなる知識の探求

 
——人事部として、遠藤さんがこれから挑戦されたいことはありますか。
 
会社の人材として、今はどこを見ても似たような人が集まっている状態なんですね。もっと多様性を目指した組織作りをしていきたいです。建設業界は、まだ少し古い体質が残っているので、私たちから考え方を変えて発信していく必要があるのではないかと思っています。それを進める上では、まずは社内の理解を得て、調整をしていく必要がありますね。
 
最近、当社でもテレワークを導入したのですが、最初は“出社しないと働けない”という固定概念がありました。ただ、その制度を入れていないことで、優秀な人材を逸してしまう可能性があるんですよね。それが非常にもったいなくて、これからは仕事のやり方を変えていかないといけないと実感しました。
 
より多くの障害者雇用などにも取り組みたいですね。時代に合わせた働き方を導入することで、どの方も楽しく仕事をできる環境をつくっていきたいです。
 
 

——個人的に取り組まれてみたいことはありますか。
 
私個人としては、建築の面白さを日々感じているので、改めて専門学校で学ぼうと考えています。そのためにも、少しずつ自分の仕事を後輩に渡していき、自分の時間を作りたいですね。
 
専門学校に通ったからといって、現在の実務としては関係ないのですが、後々として新入社員の教育などに携わっていきたいと考えています。
 
 

——そこまで引き込まれた、建築の魅力とはどのようなものでしょうか。
 
例えば、神社などの寺社仏閣の建物と、居住空間としての建物、公共施設としての建物、それぞれ全部が違うんですよね。構造自体も全然違っていて、そういうのを見たり考えたりするのが楽しいんですよ。そうなると、身近にあるさまざまな建物や空間に興味が出てきて、本当に面白いですね。
 
それから、時代とともに建設業界はこれから大きく変わってくるので、楽しみです。やはり何はなくとも、生活の土台ですからね。家は生活をする舞台で、人の命を守るものなんですよね。衣食住といいますが、食品や衣料品と比べて、やはり最も基礎部分なのではないかなと思います。だからこそ、今一度、建物の価値や奥深さをたくさんの方に知ってもらいたいですね。
 
 

遠藤 仁樹

橋本総業株式会社 人事部 課長
 
▶︎  橋本総業株式会社
HP:http://www.hat.co.jp
 
創業127年目となる老舗の住宅設備専門商社である橋本総業株式会社。創業時より、日本の時代の歩みとともに、住まいや設備を見つめてきました。一流メーカー様と全国に広がる販売店の間で、「かけがえのないパートナー」として快適な住まいづくりを支えていきます。